ヨルゴ・トルーパス(グラフィックデザイナー)

他の西洋のティーンエイジャーの例にもれず、僕が東京へ強い興味を抱くきっかけになったのは、大友克洋のマンガ、アキラだった。
それは、究極に複雑で、コードやルールがなく、新しいテクノロジカル・サイバーパンクなヒーローたちの都市を想像させた。
数年後、クラブへ遊びに行った日の朝4時、僕は遂にこのアンダーグラウンドな世界に遭遇した。たくさんのおどけたバイカーたちが、ヘルメットも被らず、文字が刺繍された日本の服を着て、木刀や野球のバットを手に持ち、排気音を轟かせて野蛮に僕の前を走っていった。
これは、最も気に入っている東京の記憶だ。


[よるご・とるーぱす / グラフィックデザイナー]