ここは、サンタクロースの世界。
大人は訪れることの出来ない不思議な場所。
キラキラ光る銀色に誘われ、真っ赤な帽子をかぶった子どもたちが集まって来ました。

そこへ突然現れたのは、クリスマスの妖精たち！
プレゼントの箱を抱えたユピテルと、クラリネットの音色を奏でるモッティは、
驚く子どもたちの顔を見ると、ハッとしたように口を開きました。

「あれ？ もしかして…ボクたち妖精の姿が見えるの!?
この子たちならクリスマスの魔法が使えるかもしれない！」

二人は大喜びで、子供たちを集めて秘密の話を始めました。

「実はボクたち、サンタクロースの妖精として
クリスマスの準備をしているんだけど、プレゼントの箱はご覧の通り空っぽ…
このままじゃ、クリスマスをメリーにできないよ！
みんなも一緒にサンタクロースになって、笑顔を届けるお手伝いをしてくれない？」

妖精からのお願いに、子どもたちはなんだかワクワク！
「いいよー！」「お手伝いする！」「サンタになるよ！」と元気な声が飛び交います。
子どもたちは、サンタクロースになる方法を教えてもらうことにしました！

サンタクロースになるためには、３つの魔法が必要です。

「１つ目の魔法は《仲間と協力すること》。
ひとりでは出来ないことも、みんなと一緒ならやり遂げられるよ！」

子どもたちは、ユピテルから魔法の“色”を受け取り、好きなところにペタペタ！
みんなで力を合わせたら、あっという間に世界が美しい虹色に変わりました。
するとどこからか鈴の音が……サンタクロースの登場です！

「HOHOHO！
メリー・クリスマス！
メリーは楽しい！
メリーはしあわせ！
メリーは夢いっぱい！」

メリーとは、みんなが笑顔になれること。
だからメリー・クリスマス！は、“笑顔のクリスマス”！

「サンタクロースのお仕事は、世界中に笑顔を届けることなんだ。
それは特別なことじゃない。だれでもサンタになれるんだよ。
さあ、みんなも一緒にサンタになろう！」

１つ目の魔法を覚えたみんなに“サンタブック”がプレゼントされました！

「２つ目の魔法は《自分から笑顔を見せること》。
うれしいこと、楽しいこと、将来の夢。
あなたのメリーはなんでしょう？」

子どもたちは、サンタさんにもらった“サンタブック”を開き、
自分が笑顔になれることでページを埋めつくしました！
お花、ロケット、雪だるま、ツリー、どうぶつ…
メリーをたくさん並べると、ニコニコ笑顔になれました。

この顔が、目の前の人へのプレゼントになるのです！
笑顔はいつでも、どこでも、だれにでも出来るプレゼントなのです。

２つ目の魔法を覚えた子どもたちに、妖精のユピテルが言いました。

「みんな静かに、そーっと目を閉じてみて。
目を閉じたら、大切な人の顔を思い浮かべて。
お父さん、お母さん、お友達、先生、ペット…
思い浮かんだ人の顔を、ニッコリ笑わせてみよう！」

さっきまでの大はしゃぎが嘘のように、
子どもたちは黙って目を閉じ、一気に真剣な表情に。

「３つ目の魔法は《誰かの笑顔をつくること》。
今みんなが思い浮かべた大切な人の笑顔を、表紙に描いて
サンタブックを完成させよう！」

ここにも、そこにも、あそこにも、子どもたちが作った笑顔がいっぱい！
みんなはもう立派なサンタクロースです。

クリスマスの“３つの魔法”をマスターしたお祝いに、
サンタさんが、クリスマスパーティーをプレゼントしてくれました！
美味しいカップケーキと、妖精たちが演奏するクリスマスソングで
気分は一足お先にクリスマス！

最後に、子どもたちは「サンタクロース認定証」を受け取り
晴れて一人前のサンタとして認められました！

シャンシャンシャンシャン…♪
鈴の音が聞こえて来たら、次の街へ旅立つ時間です。

子どもたちは、サンタクロースとして周りに笑顔を届けることを誓い、
サンタたちは、みんなのことをずっと見守っていると約束しました。




サンタさんたちに別れを告げた頃、みんなの家族が迎えにやって来ました。
もちろん、サンタクロースの世界で何が起きていたのかは知りません。

子どもたちは早速、自分だけの“サンタブック”を披露して
この日体験したクリスマスの物語を伝えました。

すると、どうでしょう。
ブックを見たお父さんやお母さんは、たちまち笑顔に！
子どもたちが、本当のサンタクロースになった瞬間でした。

クリスマスが終わっても、みんながメリーな心を持ち続けられるように、
サンタと妖精たちは、どこかであなたたちを見つめています。

MERRY MERRY CHRISTMAS！