メリープロジェクト

キリマンジャロ登頂記4

 下山後、僕はタンザニアから再びケニアのナイロビへと戻った。

ご両親に差し上げたい気持ちは勿論あったけど

やっぱり、
これは彼の足跡であって、ここにあるべきなのだと思う。

ナイロビを出発する時間まで
僕前よりもさらにボロボロになった彼の情報ノートを修復していた。

そこを訪れる旅人が見れるようにと思って、彼の写真展で買ったフォトアルバムを張り付けておいた。

それから最後に
僕が旅人に対するメッセージを書いてゲストハウスを出た。

 そうそう。

ゲストハウスを出る直前に

嬉しい出来事があった。

僕「これは僕の友達の大事なやつだから、絶対に無くさずに保管してくれ。」

タクシーが待っていたので

ゲストハウスのスタッフに一言だけ言って、出ようとしたら

その人が

スタッフ「待って!君は彼のことを知っているのか!?」

僕「え!?

彼のこと知っているのか!?

たっちゃんのこと覚えているのか?」

スタッフ「もちろんだよ。彼はこの部屋に泊まってさ、よくここでギター弾いてたよ。もっと彼のことが聞きたいな。また来てくれよ!」

僕「そっかあ。そうだったんだ。ありがとう。また来るよ。たっちゃんに会いたいからさ。」

そう言って僕たちは別れた。

エジプト行きの飛行機を待っている間、僕は幸せな気持ちで一杯だった。

地にどれだけの足跡を残すことができたのだろうか。

今はまだわからない。自分探しの旅に出たって見つからないのと同じように

きっと、それは死ぬときに初めてわかるんだと思う。

次はどんな“つながり”が待っているのかな。

たっちゃん。

旅って人生で一番面白い遊びだよね。

今僕の手元には2つのキリマンジャロ登頂の認定証がある。

一つはもちろん僕の

もう一つがたっちゃんのだ。

チャールズに無理を言って書いてもらったのだ。

「話はオスマンからも聞いたよ。こんなこと普通じゃありえないよ。」

な〜んて言いながらサインしてくれた。ありがとう。

これをどうしてもたっちゃんの彼女に渡したかった。

最後に

彼の残した言葉でこのつながりMerry な話を終わりにしたい。

仲良くなった人へも

すれ違っただけの人へも

これから出会う人へも

一生出会わない人へも

同じ時代に 同じ地球を旅した

すべての仲間たちへー

2010.4.4 達 with biggest love and kisses

つながりMerry

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