メリープロジェクト

プノンペン

 こんにちは。MERRY TRIPの中村浩紀です。

旅の最後の3日間の自由行動で、僕たちは7人でプノンペンへと向かいました。

目的は、ポル・ポト政権時代に人々が拷問を受けた場所、トゥールスレン博物館と、人々が殺され埋められた場所、キリング・フィールドです。

トゥールスレン博物館はかつて高校だった建物を、拷問を受けさせるための建物に改装されたもので、いまでも当時の造りのまま、使われた拷問器具、そして生々しい傷痕がいたるところに残されています。

当時、優秀であった技術者や医師などから順に殺されたそうです。

このレンガで仕切られた、一畳ほどの小さな空間に閉じ込められていきます。

  

ほんの40年程前までこの場所で、人々が非人道的な拷問を受け、苦しみ、亡くなっていったなんて、信じられませんでした。しかし、それは周知の事実であり、この建物はそれを強く訴えかけていました。

  

人々はここから見える風景を見ながら、何を思い、何を訴え、亡くなっていったのでしょうか。平和を願うならば、この悲しい過去もすべて伝えていく必要があると、感じました。

続いて、キリング・フィールドですが、ここでは亡くなった方々の遺骨が奉られています。しかし、それはほんの一部で、今でもこの場所にはたくさんの遺骨が埋まっています。

その証拠に地面には、雨が降るたびに出てくるたくさんの衣服や人骨があります。それは、決して遠い昔のことではない、ということを物語っていました。

写真の穴は、遺骨を掘り返したあとで、大きな木はkilling treeと呼ばれ、兵士が子供たちの足を持ち、頭をたたきつけて殺したとされる木です。今では考えられないようなことが、数十年前に行われていたのです。

  

カンボジアにはポル・ポト政権時のことを知っている人がたくさんいます。被害者は、殺された人だけでなく、その遺族や親族、そして地雷の被害者は今なお出ています。しかし、カンボジアの人はとても温かく、本当に彼らの笑顔は印象的で、強さを感じました。

現地のNPO法人のスタッフの方から聞いた話ですが、ある村の村長は元ポル・ポト軍の兵士の子だそうです。僕は、元ポル・ポト軍というだけで人々から軽蔑を受けたり、差別があるのではないかと思っていました。しかし、カンボジアの人々は過去のことに捉われないそうです。そしたら、また戦争に発展してしまうから。

余談になりますが、この旅でたくさんの子供の「笑顔」に出会いました。会うたびに、思わずカメラを向け、シャッターを押してしまいます。国が違っても、言葉が通じなくても、伝わるものがある。連鎖する。「笑顔」にはそんな大きな力があると、感じられました。

この子たちが大きくなる頃には、どんな世界になっているのでしょうか・・・。

どんな世界を創っていけるのでしょうか・・・。

  

MERRY TRIP PROJECT 中村浩紀

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