同じ地球を旅したすべての仲間たちへ
2010.11.22 7:50
皆さん、はじめまして。
筑波大学4年次休学中の小林雄です。
これから”ある人”に会いにアフリカを旅する僕が現地で感じてきた
MERRYをレポートしていきたいと思います。よろしくお願いします。
まず、アフリカについて話す前にどうしても伝えたい日本のMERRYがあるので
初回の今回はそのことについて書きたいと思います。
先日、新宿で小さな写真展が開催されました。
「Tatsushi Doi Photo Exhibition~旅の女神にキッスして~」
これは彼(たっちゃん)が綴っていたブログのタイトルでもあります。
http://ameblo.jp/hotel-pilgrims/
旅人にとってブログは重要な情報源です。
僕は彼のブログの読者でした。直接会ったこともないし、
彼は僕のことなんて全く知りませんが、僕は日本にいて旅の準備をしていた頃、
まるで自分が旅しているかのようにブログを読んでいました。
それだけ、惹き付ける”何か”がありました。
しかし、もうたっちゃんのブログが更新されることはありません。
今年の四月。旅先のタンザニアで交通事故により命を落としてしまいました。
そんなたっちゃんの写真展が先日開催されました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20101103/CK2010110302000070.html
東京新聞より
僕はたまたま日本にいたので写真展に行くことができ、
彼のご両親とお話することができました。
息子の死後にこのブログの存在を知ったこと。
アフリカにいるなんて全く思っていなかったこと。
旅先で出会った多くの方がこの写真展に来てくれたこと。
ブログ本を出版したいということ。
夫は今ではすっかりブログのストーカーになってしまって、
息子の旅友のブログをこまめにチェックするようになったこと。
そして、そんなことがあったにも関わらず若者はもっと海外へ行くべきだと強く
言っていたのが非常に印象的でした。
子どもたちの笑顔の写真もたくさん展示してありました。
ご両親にとってのMERRYを聞いてみると、こう答えてくれました。
「この写真展を開いて息子の友達や旅先で出会った旅人やゆうくんのように
ブログを読んでいてくれた方々、それから遠方から新聞を見て来てくれた方まで
本当に様々な方がここに足を運んでくださいました。
つらいことを思い出してしまうけど、それでも
それでも
30分でも10分でも息子のことを思っていてくれて、ここに来てくれた。
そのことが私たちにとってすごく嬉しい。
息子が残したこの”つながり”が私たちにとってのMERRYかしら。
つながりって本当にすごいですね。」
そんな会話をしている間も続々と
新聞片手にやってくる方や
エジプトでたっちゃんに出会って〜…とか
直接の友達ではないんですけど、オーストラリアにいる共通の知人に頼まれて
代わりに見てきてほしいって頼まれて〜…とか
本当に様々な”つながり”を持った方が訪れてきました。
「まさにこんな感じだよねー」
そう言って、隣にいたたっちゃんの姉が指差したのは
壁に飾れていていた情報ノートの1ページ目のコピーでした。
この情報ノートはナイロビでそこのゲストハウスを訪れる旅人のために
たっちゃんが買ったものだそうです。
そこにはこう書かれていました。
仲良くなった人へも
すれ違っただけの人へも
これから出会う人へも
一生出会わない人へも
同じ時代に 同じ地球を旅した
全ての仲間たちへ
2010/4/4 達 with biggest love and kisses
小さな写真展はご家族の愛情やたっちゃんのことを想って訪れた方々の
大きな大きなMERRYで一杯でした。
僕がアフリカにいく前にここに来れたのは運命のように感じます。
ご家族と旅仲間たち
たっちゃん、ありがとう。
いってきます。
ーーーー
成田から13時間かけてエジプトのカイロへ
カイロから5時間かけてケニアのナイロビに着きました。
朝4時に真っ直ぐ向かった先は
ダウンタウンにあるゲストハウス
ニューケニアロッジ。
ここにくれば彼に会えることを知っていたから。
残っていればの話だが・・・
遡ること一週間前僕は新宿の写真展にきていました。
入口を入ってすぐのところに探していたものがありました。
30分くらいだろうか
とにかくぼーっとそこに飾られていた
情報ノートのコピーを眺めていました。
あれから一週間後
日本から10500km離れたここナイロビで
同じものが見たくてここにやってきました。
ドキドキしながら
ボロボロになった情報ノートを見つけ最初の1ページ目を開いてみると
そこには
確かに
確かに彼の文章が存在しました。
やっと会えたな。たっちゃん
そんな気持ちで一杯だった
想像はしてたけど実際に会ってみると
さすがに泣けてくる。
一週間前に彼のご両親が
おっしゃっていた”つながり”という名のMERRYが
僕をここに来させた。
まるで未来のたっちゃんがナイロビにいるたっちゃんに書かせたような
そんな素敵な文章は
僕の心にすんなり染みていきました。
一生出会わない人へ…か
僕は彼のブログを通して多くのものをもらいました。
僕はそんな彼のために一体何ができるのだろうか。
http://ameblo.jp/yu-freestyle/