蜷川幸雄演出Coriolanus
2007.05.01 0:18
GWの最中みなさんはいかがお過ごしですか?
海外に出て、何年も生活していると日本の休みや行事などを忘れがちになります。
mixiのカレンダーを見ていて気付いたのですが今年から昭和の日が国民の休日として新しく加えられたようですね。日本ではこの昭和の日を加え現在国民の祝日が年に15回あるそうです。これは先進国では最も多い数(意外?)でイギリスの祝日の数8日と比べるとおよそ2倍程度もあるんですよ。
前置きはこのくらいにしておいて、先日ロンドンのBarbican Centreで行われた演出家蜷川幸雄さんによるシェークスピアの史劇Coriolanusを見てきました。
ロンドンで見る二度目の蜷川幸雄によるシェークスピア作品でしたが主演の唐沢さんの演技は勿論のこと世界の蜷川と呼ばれる蜷川さんの演出も光っていました。
言葉は勿論日本語なので外国人のお客さんは分からないのでは?と思う方もいると思いますがちゃんと舞台の両袖に電光掲示板がありその都度英語字幕が流れるので日本人以外の人も理解できるようになっているんですよ。
シェークスピア作品でありながら日本人として、日本人の役者を使い、日本刀や日本的な衣装など演出まで全て日本的な要素を打ち出した作品となっていました。大盛況のうちに終わった日本公演のあとのロンドン公演だったのですが基本日本で見せたものをそのまま見せるという形で主演の唐沢寿明さんを始めとした出演者も40人以上もの数が僅か5日間という公演の為に海を渡ったのだそうです。
インタビューで読んだのですが蜷川さんはシェークスピアの生まれた国であるイギリスでシェークスピアを日本人が日本語でやること、これが世界に共通する普遍性を世界の人々と共有することだと信じているのだそうです。
1,2枚目の写真は劇終了後に出演者が出てきて挨拶をしているところなのですが、3度のカーテンコールに加えスタンディングオベーションをしている人もたくさんいて大盛況でした。観客は日本人がおよそ5割それ以外の人が5割くらいの割合でしたが、Bravo!と叫んだりスタンディングオベーションをしていた人は現地の人(英国人)の方が多かったような気がします。自分は作品に全く関ってはいないのですが日本作品が世界に認められる瞬間を目の当たりにして少し誇らしくもあり、嬉しくもありました。
前述の「世界に共通する普遍性」という言葉ですが、彼の娘である蜷川実花さんも先日行われたパリコレクションのCelineで彼女の写真をプリントしたワンピースが披露されました。これも彼の言う「世界に共通する普遍性を」世界の人々と共有するという一つの形といえるのではないでしょうか。
伊勢丹ではこのコラボレーションを記念してイベントを開催するようですよ。
http://blog.livedoor.jp/tokiolondon/archives/50671152.html
遠く日本から海を渡りもっともっとたくさんの人や作品などが言語の壁を越えて日本から来ればいいなと思います。その逆も然りですけどね。 Merryのテーマである「笑顔は世界共通のコミュニケーション」と同様、芸術や音楽も世界共通のコミュニケーションだと僕は思っています。