宮島がアートな島なる
2010.09.24 15:21
Vol.330 2010.09.24 FRI
8月1日、広島・平和公園 原爆ドーム前で笑顔の傘を開いてから、早一ヶ月半。
平和がテーマだった前回に続いて、今回は環境がテーマ。
ユネスコ世界遺産である、宮島にある厳島神社で
世界中の子どもたちの笑顔の傘100本を学生、地元住民、観光客が一斉に開き、
人々に未来への希望や平和への願いを発信しよう、というコンセプト。
今回のメリーアンブレラプロジェクトは、プロデューサーの石堂めぐむさん、
クリエイティブディレクションを高田正治さん、
アートディレクションとデザインを出雲憲司さんが中心となって準備をしてくれました。
今回、石堂さんが主催する宮島アート展は、「つながる・宮島」をコンセプトに
アートやクリエイティブを学ぶ学生やアーティストが、アートを通して
地元住民や観光客との「つながり」をつくりだすイベント。
そのクライマックスとしてメリーアンブレラプロジェクトを行なうことになりました。
23日はお彼岸。
暑さ寒さも彼岸までといいますが、すっかり夏が終り、秋の気候に変わりました。
そんな季節の変わり目とあって、当日の天気予報は雨。
前日22日のリハーサルの時は、午前中、雨が降っていたにもかかわらず、
少し日がさすような天気になり、秋の風がふいて、自然の気持ちよさを感じました。
海と森と自然と生物が融合している、この美しい宮島にはたくさんの鹿がいます。
柔らかい光の中で、生体系と自然がマッチして、神様が見守る様な不思議な場所。
この宮島にそびえ立つ、厳島神社は1400年の歴史を持っており
平安時代の寝殿造りの粋を極めた建築美で知られる日本屈指の名社です。
厳島神社の鳥居も平安時代から数えて8代目。
午前中は満潮で、大鳥居が海水に浸かっていましたが
午後はみるみる潮が引いていて、あっというまに海水が減っていき
午後3時にはすっかり干潮してしまいました。
時期的に満月で大潮だったということもあり、自然の潮の満ち引きに大変驚きましたが、
1400年間も潮の高さが変わらないこと、そしてその潮の満ち引きを計算し、
環境と調和しながら、鳥居や境内がつくられていることにさらに感動しました。
潮が引くまではたくさんいた魚たちも、潮の流れと一緒に何処かへ移動し、
夕方に潮が満ちるとあっという間にに魚たちが戻って来ていました。
夜は、すっかり足まで潮が満ちた鳥居とまん丸の満月を眺めながら
明日のイベントの成功を祈りました。
いよいよ当日。
朝までは、大雨と雷が鳴り響いていましたが、
午前10時を過ぎたころから雨がやみ、青い空が見えてきました。
これは神様も祝福してくれているのだろうと、はりきって現場へ向かいました。
リハーサルをしていると、日本語を学んでいるオーストラリアの学生さんたちが
この笑顔の傘にすごく興味を持ってくれて、一緒に笑顔の傘を開き、コミュニケーション!
思いがけない国際交流に、今回参加してくださった広島の学生さんもすごく楽しそうでした。
やはり笑顔には、国境を越える何か不思議なパワーがあるんですね。
そして13時。デザイン学校の学生さん、地元に住む方々、総勢90人が集まりました。
そして、観光客の方にも一緒に参加してもらいたいと思い、
残りの10本は一般参加者枠をつくりました。
主旨に賛同してくれたオーストラリアから来た学生さんなど、
様々な観光客の方々も参加してくれました。
僕と石堂さんから参加者へ今回の主旨やコンセプトを説明し、
笑顔の傘とMERRYなストラップを渡しました。
このストラップは石堂さんが発案したもので、
今回のイベントのために学生さんが手作りで作ってくれた
ペットボトルのフタがリユースされたMERRYマークが可愛いエコグッズ。
参加者全員にプレゼントをしました。
まずは笑顔の傘を持って、宮島をMERRYウォーク。
海岸沿いを歩きながら、厳島神社を目指します。
途中、大鳥居の見える海岸通りにずらりと一列に並び、全員で傘を開きました。
そして、宮島・西松原からは厳島神社、大鳥居、千畳閣、五重塔が一望できる場所。
多くの観光客とシカが見守る中、
参加者で横一列になり、笑顔の傘を一斉に開きました。
広島テレビの方々もその模様を大取材!
そしていよいよ15時。
干潮の時間が迫り、どんどんと潮が引いていく大鳥居に向かった。
今回、メインの場所となる大鳥居は神様の通り道。
真ん中をふさがないように、
左と右に分かれて、二本の足の部分にフォメーションを組んだ。
干潮の15時30分。一斉に笑顔の傘が開くと、大鳥居と厳島神社、
そして笑顔と宮島を包む大自然がひとつのラインで繋がった。
人と自然と神様が笑顔で繋がる。
笑顔の宇宙、幸福の宇宙がそこに生まれたような気がした。
こここそ、本当にMERRYな晴れた場所だった。
今後、第三回以降のアートフェスティバルとして
瀬戸内海を入れた「平和と環境」のコンセプトのもと、都市と世界が繋がること、
そして来年この水の一滴が、大きな流れになることを祈っています。
今回のプロデューサーである石堂さんから
メールで丁重な感想をいただきましたのでご紹介させていただきます。
8月1日に平和公園でのメリープロジェクトに参加させて頂き
平和への強いメッセージを感じました。
私達の主催する宮島アート展に水谷さんのメリーが出来たら…と願い再び現実となり、
みんなで素晴らしい時間を共有することができたのです。
一時は、雨で開催が危ぶまれましたが、水谷さん、私、参加者、笑顔の子供達の
強い気持ちが天に届き、厳島神社の青空の下でパラソルが開いたときは、
震えるような感動をおぼえました。
このような活動を広島だけでなく瀬戸内にひろがる波紋をおこしたいと願っています。