5月4日、上海万博と渋谷を笑顔の傘でつなぐMerry Umbrella Projectがついに実行されました。
14時50分(日本時間)、二つの会場を電話でつなぎ、100本ずつ、
計200本の笑顔の傘を同時に開いて、
人間の笑顔の強さと素晴らしさを表現しようというこのプロジェクト。
傘には、1995年阪神淡路大地震の被害にあった神戸の子どもや、
2004年津波に襲われたバンダアチェ、
2008年地震に見舞われた四川の子どもたちの笑顔がプリントされています。
災害の後も力強く生きる子どもたちの笑顔が、
上海や渋谷の人ごみの中に咲く様子はとても明るく美しく、
通り行く人たちにも笑顔を届けます。

当日は、参加してくれた人たちの協力はもちろん、綿密に時間を計算し、
たくさんのスタッフが真っ黒に日焼けしながら走り回った甲斐あって、
大成功に終わることができました。
合図とともに傘が一斉に開いた瞬間、会場にいた人たちが「おおおっ」と歓声をあげて
近寄ってきて、その場はあっという間にMERRYな空気で満たされました。

こうなるともう、直前までの不安や緊張がまるでウソのように、
自然に参加者と観客のコミュニケーションが生まれて、MERRYはどんどんどんどん広がり、
「かわいい！」、「どうやって手に入れるの？」、「私も欲しい！」と、
押し合いへし合いの大盛況。
ちらほらしか人がいなかった会場も、傘を持った100人が並び始めた途端に
たくさんの人が集まってきて、警備員や他のイベントのスタッフまでもが傘を持ったり
写真を撮ったりして楽しんでくれました。
その場に居合わせた国内外のメディアも、私たちが傘を開くたびに興味を示して
カメラを構えて駆け寄ってきて、
想像以上にたくさんのメディアで取り上げていただくことができました。

上海万博会場にある式典広場は、世界文化中心という大きな建物の真横にあり、
連日様々な催し物が行われるまさに上海万博の象徴的広場。
噴水やイルミネーションなどのありとあらゆるエンターテインメントが
集結しているこの空間は、一目見た時から、こここそがMERRYに相応しいと気に入って、
どうしても傘を咲かせたかった場所のひとつです。
午前10時(上海時間)にこの式典広場で２列に並んだ100人が傘を開いた後、
傘を差したまま約２時間かけてパビリオンの間を練り歩き、
たくさんの人黄浦江の畔にある緑豊かな彫刻公園へ移動。
ここはパビリオンの喧騒から逃れて一息つけるスペースとして利用されており、
現代都市上海の縮図を見るようで、
MERRYの笑顔の花を咲かせるには打ってつけの場所でした。

一方、渋谷では12：30から100人の専門学生さんが集まって、
代々木公園の中央広場にてリハーサルを行ないました！
先日のリハーサルとは異なるフォーメーションでしたが、さすが若者、あっという間に
新しいフォーメーションを覚えて、本番に臨みました。
みんなでお揃いのMERRY Tシャツを着て、いざ会場へ！

14：45。学生さんと共に会場に到着し、急いで隊列に並び、その瞬間を待ちました。
会場にはたくさんの観衆が集まり、あっという間に黒山の人だかり。

そして14：50。その瞬間に合図が出され、笑顔の傘をバッバッバッと広げました。
笑顔の傘を空高くに掲げて、パフォーマーも観客もみんな笑顔になれた瞬間でした。

また、渋谷での様子はUstreamでも中継され、広く世界へMERRYが発信されました。

2005年愛知万博に始まり、2008年北京五輪の開会式があり、そして今回の上海万博。
長かった壮大なプランが、ようやく終ろうとしています。
この大きなイベントもひとまず無事終了し、
今はもっとすごいことをしてみたい！という期待と興奮でいっぱいです。
もっともっと世界に向かって、万里の長城やクレムリン、タイムズスクエアでも
笑顔の傘を広げていきたい。
今問題のある地域や国に行って笑顔の写真を撮り、
厳しい環境の中で生きる人たちを笑顔にできるような、意味のある傘を咲かせていきたい。
見世物やイベントで終わらずに、本当に世界を良くするためにこの笑顔の傘を使いたい。
世界中に笑顔を咲かせたい。

人間て単純で愚かな生き物だとは思うけれど、
万博会場で色んな人に声をかけてもらったことで、
こうして傘を通して感動を与えることができたんだろうなと感じました。
傘を開くとすぐに人がたくさん寄って来て、傘につられて人が笑い出す、
MERRYな空気が生まれたことがとても嬉しかったんです。

今回上海に行って、上海の街の人たちの勢いや爆発的なパワーを肌身に感じました。
MERRYはこの10年、東京を拠点にやって来ましたが 、
次これからの10年は、上海でソーシャルデザインをやっていくのも面白いかもしれません。
世界一の人口を誇る中国の経済的中心である上海のエネルギーと
MERRYの笑顔がリンクすれば、きっともっと大きなことができるはずです。

最後に、スタッフとしてお手伝いしてくださった皆さん、
上海、渋谷で当日参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。