2020東京五輪へ「笑顔が重なればアートになる」

2015→2020  東京オリンピック 5年前企画 第一弾/東京オリンピック特集「2020年 東京五輪へ 300人リレーコラム」
笑顔が重なればアートになる


20年東京五輪・パラリンピックは、未来の世界はこうあるべきという
価値観を提言する場にしてほしいと思います。
世界は今、戦争やテロ、災害や環境破壊の問題を抱え、この先どうなるかも分からない。
私はエコ、サスティナブル(持続可能性)、メリー(笑顔)が鍵を握ると思っていますが、
東京から新しい価値観を発信する、チャンスにしてほしいのです。

「22世紀への遺産」という視点が必要です。これからは皆が協力し、地球をつくる時代。
これまでの価値観も変える時期にきています。持続可能な平和をどう築くか。
「未来への生き方」が東京五輪のビジョンとなり、100年後の世界にも受け継がれてほしい。
遺産として残るのは競技場でなく、東京五輪の価値観であってほしいと思います。

08年北京五輪の開会式で登場した、子どもたちの笑顔の傘の写真を撮影しました。
子どもの笑顔には、未来への希望がある。
総監督の張芸謀(チャン・イーモウ)には、「国のためにやるのではない。
9・11後の世界に対し、平和のメッセージを出す最大のチャンスです」と伝えました。

彼が笑顔の写真を探していると聞いたのがきっかけで提供した写真は、
途上国の子どもたちの、本当の自然な笑顔です。
使うには中国政府の膨大な手続きが必要で、話はなかなか進まなかった。
政府に掛け合い、了解を取り付けてくれたのはイーモウでした。
本当の笑顔を表現したかった私に、
「私がやりたかったことを、すでにあなたはやっていた」と、言ってくれました。

開会式では1つ提案があります。
選手は国ごとに入場しますが、閉会式のように、全員いっしょに出てくる。
そんな、思い切ったことをしてほしい。
「国」が主語になる開会式は、もういいんじゃないかな。
1人1人の笑顔が重なれば、1つのアートになる。
国ではなく1人、1人が主役。
開会式から世界が1つになった夢のような平和な前例をつくってほしい。

世界中に笑顔を伝える「メリープロジェクト」という活動を続けています。
笑顔は本当に大事なこと。
東京大会も、メリーがあふれる五輪にしてほしいです。

MERRY PROJECT/水谷事務所
アートディレクター 水谷孝次

MERRY主義宣言

「MERRY」この言葉の意味って何だと思いますか?
「MERRY」は「メリークリスマス」の「メリー」。
「楽しい・幸せ・夢」という意味です。素敵な言葉だと思いませんか?

「あなたにとってMERRYとは、何ですか?」
私はこのシンプルな質問を世界中の人々になげかけ、
この15年間で28カ国4万人以上の笑顔とメッセージを集めてきました。

2500年前にブッダは同じことを「和顔愛語」という言葉で教えてくれました。
「何もあげるものがないなら、笑顔とやさしい言葉をあげなさい。
そうすれば、笑顔とやさしい言葉が返ってきますよ」
私たち「MERRY PROJECT」の根っこにあるのは、この「和顔愛語」の心です。
笑顔とメッセージに込められた、一人ひとりの「MERRY」な想いと、
地球を大切に思う気持ちは、国境を越えてつながっていくと思います。

子どもたちの笑顔は、未来への希望です。
それは、かけがえのない地球の宝物なのです。

以前、私がアフリカ大陸のケニア・ナイロビを訪ねた時のこと。
「あなたにとってMERRYとは、何ですか?」と問いかけた私に
ある少女は「YOU」と答えてくれました。
「あれっ? 意味が伝わっていないのかな?」
いぶかしげな表情の私に、彼女は涙を流しながら、こう言ったのです。
「私は今まで笑ったことがない。MERRYなんて考えたこともない。
今日、初めて笑ったし、初めてMERRYとは何かを考えた。
私にとって今日は最良の日。私にとってのMERRYはあなたよ」
思わずシャッターを押す手が止まった。
彼女は確かに「YOU」と言いました。
こんなことは、それまで一度も言われたことがありませんでした。
人を幸せにすること、人を楽しませることこそ究極のデザイン。
私は自分の仕事で求めていた答えに、ようやくたどりついた気がしました。

笑顔には、人を幸せにするパワーがあります。
子どもたちの「MERRY」な笑顔がプリントされた傘を一斉に開き
人々に未来への希望や平和への願いを発信する「Merry Umbrella Project」では、
私のデザインした「笑顔の傘」が北京オリンピック開会式の
オープニングセレモニーで披露されました。
その後、世界中で笑顔の花を咲かせて、
人の心を動かす瞬間にたくさん出合うことができました。
いつでもどこでも「笑顔の傘」を開くと
まるで花が咲いたように空気がぱっと明るくなって、みんなの顔も笑顔になるのです。

例えば、広島で被爆してから一度も笑ったことがなかったという女性を笑顔にさせたり、
東北の被災地では、震災の後、笑うことも出来なくなってしまった方が、
「多くの人が来て笑顔の傘を開いたり、写真を撮ったりしてくれて久々に笑ったよ。
なかなか笑顔になれなかったけど、心の支えになるね」と話してくれたりしました。
「人間には、マイナスがあるからプラスがある。
ほんとうに悲しい時こそ笑うんだ。だから笑顔が美しい」と気付いた。
それが人間の強さであり、美しさなのだと思います。

国が違って言葉が通じなくても、笑顔と笑顔で心がつながる。
地球上のあちこちで「MERRY」な交流が生まれ、笑顔が伝染していきます。
誰かの笑顔が地球をぐるりめぐって、あなたに笑顔を運んでくれる。
笑顔がつなぐ「MERRY」のリレーに、国籍も人種も宗教も関係ありません。
笑顔のアートで地球を元気にしたい。
平和や希望、生きる勇気の尊さを伝えたい。
この地球を笑顔で満たすためには、もっともっと大きなエネルギーが必要です。
あなたにも、力を貸して欲しいのです。

貧しい国では、安全な飲み水や教育が足りません。
豊かな国では、愛と思いやりが足りません。
お金がすべてという価値観では、強欲で身勝手な資本主義に走りがちです。
そんな社会を見直して欲しい。幸せの意味を問い直して欲しい。
戦争のない恵まれた国のように見えるこの日本では、
年間3万人近い人が、自ら命を絶っています。
お金やモノだけでは幸せになれないことに、
私たちは、ようやく気付きはじめたのではないでしょうか。

誰もがいつでも笑顔で暮らせる地球であるために
人間にとって、ほんとうに大切なものは何かを考えなければいけません。
地球にある化石燃料もあと少し、もうすぐ無くなると言われています。
その時人間は、そのエネルギーの基となる燃料を取り合い戦争をするかも知れません。
さらに地球の人口もあっという間に100億人になります。その時食糧はどうするのか?
今こうしている間にも、エネルギー問題・環境問題・経済問題などが次々に起こっています。
だからこそ地球上の人間たちみんなが笑顔で協力し合い、
アイディアを出して、多くの問題を解決し、みんなが仲良く笑顔で生きていくことが大切です。
未来は、エコで、サスティナブルで、そして笑顔がいっぱい。

もちろん、地球上の難問すべてが笑顔で解決するわけではありません。
しかし「笑顔×農業」「笑顔×福島」など、組み合わせることにより、
多くの人々を巻き込んで、より前向きに課題に取り組むことが出来ると思っています。

「MERRY」な笑顔を増やすことを一番に考える社会。
みんなを笑顔にして、自分も幸せになる。まさにメリーゴーラウンド。
そんな生き方を私は「MERRY主義」と名付けました。
地球が笑顔でいっぱいになることを、心から願って…

 




はーい、にっこり!
あなたが笑うとき、地球もいっしょに笑う!


いつでも、どこでも、だれにでも、
コミュニケーションができる
最高の言葉は、
「はーい  にっこり!」。

今地球は、人間・自然・生きものへの信頼、
そして何より、笑顔を必要としています。
笑顔は笑顔を呼びます。

笑顔から醸し出される、あたたかさ、優しさ、平和……
国境を越え、時をも越え、
地球上のすべての笑顔は、
まるで夏の日の太陽のごとく、輝き続けています。

地球上のすべての笑顔は、未来への希望です。
あなたが笑うとき、地球もいっしょに笑います。

  

 

 

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