コルカタ、マザーハウスにて。
「Nirmal Hriday(通称、死を待つ人の家)」でお手伝いをさせていただいた。
マザーハウスでのボランティアは6つの家があり、
それぞれ孤児の家、障害者の
家、女性と薄弱者の家、
死を待つ人の家、障害児の家、マザーハウスのブラザーの家である。
死を待つ人の家には、文字通り「死ぬまでの時間を過ごす人が集まる家」である。
体が自由に動かない老人が多く、排便やお風呂も一人ではできない。
スカルが見えてる人も何人かいて、そこからウジ虫がわいていた。
皿洗いから始まり、洗濯、料理を作ったり運んだり、
ご飯を食べさせてあげたり
マッサージをしたり、いわば何でもだ。
昼ご飯の時、驚いたことがあった。
体が動かない方にスプーンで食べさせてあげていた時のことである。
彼は常に無表情で、僕と目を合わせていても、
目は合ってるんだけどどこか遠くを見ているような、そんな老人だった。
口にライスを乗せたスプーンを運び、
彼がとてもゆっくり食べ終われば次また運ぶ。その繰り返し。
すると。。
彼の目から一粒の滴がこぼれ落ちてきた。
彼は無表情のまま。
彼はいま何を想ってるんだろう。
何に対しての涙なんだろう。
もらい泣きしそうなのをぐっとこらえ、僕は黙っていた。
目の前の人を大切にすることの意味が、
なんとなくわかったような気がした時間だった。
大きなことじゃなくていい。
しっかり目の前にあることを大切にしていこうと改めて想った。